よくある質問

石綿関連疾患について

労災、石綿救済法の補償対象になるのはどのような病気ですか

代表的なものは中皮腫、石綿肺、肺がん、びまん性胸膜肥厚です。このうち、中皮腫と石綿肺は診断が難しく、石綿被害の知識のない担当医の場合誤診される例もあります。肺がんは喫煙など他の原因も考えられるため、補償対象として認定してもらうには、一定量以上の石綿を吸い込んだことの医学的根拠又は職歴を明らかにする必要があります。詳しくは石綿関連疾患の認定基準をご覧ください。

肺がんが労災認定されるのはどのような場合ですか

(1) 石綿作業従事歴が10年以上あり、胸膜プラークがある場合、(2) 石綿肺を併発している場合、(3) 広範囲の胸膜プラークがある場合、(4) 肺内部から一定量以上の石綿小体が発見された場合などに労災認定が受けられます。生存中・死亡を問わず、まだ胸膜プラークや石綿小体の検査を受けたことがない肺がん患者のご相談者は、弁護団に一度お問い合わせ下さい。

私(あるいは父)は頻繁にせき込むようになりました。石綿が原因はないかと思うのですが、病院の先生からは「よくわからない」と答えられてしまいました。

石綿肺は、担当医に知識が無いため職歴の聞き取りが十分ではなく「肺線維症」「間質性肺炎」「肺気腫」と診断され、労災申請の機会を逃してしまう例もあります。
石綿に関わる仕事をしていた方が、上記の病名を診断された場合、当弁護団に一度ご相談下さい。

労災(・石綿救済法)の申請について

労災認定になるとどういう補償が受けられるのですか

治療費が全額補償され、療養期間中、平均賃金の80%相当が補償されます。被害者がお亡くなりになった後も、遺族に対して一時金、及び場合により遺族年金(毎年一定額の給付)が受けられます。詳しくは下記をご覧ください。

労災と石綿救済法の補償はどう違うのですか

石綿救済法の対象は、労災が時効になったケースと労災以外のケースです。
前者は特別遺族年金(原則年額240万円)又は特別遺族一時金(1200万円)が支給され、後者は治療費、療養手当(月額103,870円)、葬祭料(199,000円)などが支給されます。
後者の療養手当は、過去の収入に応じて支給される労災の休業補償と比較すると相当低額です。
葬祭料も、労災と比べるとかなり低いものとなっています。また、労災のような遺族補償年金もありません。
このように補償内容に大きな差がありますので、就労状況の証明が難しい場合であっても、労災申請をあきらめてはいけません。

労災申請に期限はありますか

治療費、休業補償や葬祭料は費用の発生から2年、遺族補償は患者の死亡から5年経過すれば時効により請求できなくなりますので、補償を検討されている方は出来るだけ早く相談して下さい。
ただし、死亡後5年が経過した労災被害者の遺族は、石綿救済法により特別遺族給付金の支給が受けられます(労災時効救済制度)。

自営で石綿を取り扱っていた患者には労災適用がありますか

労災保険は雇用主が労働者のために掛けておくものですから、個人事業主の被害者の場合、労災が適用されないこともあります。しかし、個人事業主でも、一人親方として労災特別加入制度を利用していた場合や、独立開業前にも石綿を取り扱う事業主に雇われていた場合、労災保険が適用される場合があります。

なぜ労災申請を専門家に依頼するのですか

石綿被害の事件は、被害者がどこで石綿製品に触れる機会があったのかを特定するのが難しい場合があります。また、被害者がすでにお亡くなりの場合、ご家族は仕事の内容が分からず、病気の原因が仕事にあることを説明できない場合があります。当弁護団では、多種多様の被害事案を取り扱っていますので、被害者の職歴等から被害状況を推測し、必要な調査を行ったり、資料を提出したり、場合によっては協力者(同僚証言者)を探すこともあります。

労災申請、石綿救済法申請にかかる費用はいくらですか。

依頼する際の費用はいただきません。認定結果を受けて給付金が得られた後、実費と10%(+税)の報酬金をいただきます。

企業への賠償請求について

労災補償とは別に、企業から賠償金を受け取るとはどういう意味ですか

労災補償は、あくまでも治療費や生活費の一部を補償するものにすぎません。病気を患ったことについて企業に責任がある場合、加害企業に対しては、治療費や休業補償のほか、慰謝料も請求できます。特に、慰謝料は労災補償の対象外ですから、加害企業に請求しないと獲得できません。石綿疾患による被害は重大であり、高額な慰謝料が認められます。労災認定を受けた方は、企業責任追及の可能性があるかどうかを弁護士にご相談下さい。

企業に対する損害賠償が認められるのはどのような事案ですか。

石綿の危険性は古くから知られていたにもかかわらず、ほとんどの企業は、石綿取扱作業の安全対策を怠っていました。この10年の間、当弁護団のケースを含め、全国で多数の被害者が企業に対する損害賠償訴訟を提起し、幾多の勝訴判決を得ています。
石綿の紡績、加工等の製造業はもちろんのこと、石綿含有製品を取り付け、取り外しする建設業、造船・自動車・鉄道等の製造、整備業者、石綿原料や製品を運搬する運送業に従事していた被害者の例で損害賠償請求が認められています。その他、直接石綿を取り扱わない現場監督、倉庫業、さらには吹き付け石綿のある設備内で事務作業に従事した被害者にも企業の責任が認められています。

企業に対する損害賠償が否定されるのはどのような事案ですか

これまでの裁判例で被害者の請求が認められなかったのは、石綿を取り扱った時期が古い場合(例えば昭和30年代以前に退職した例)、どこでどのような石綿製品を取り扱ったのかが判明しない場合、石綿を取り扱った期間が短い場合(じん肺、肺がんの例)などです。
なお、企業側から「当社は石綿製造業者でないから被害を予測不可能だった」「被害者が現場責任者だから自分で粉じん対策するべきだった」「喫煙が肺がんの原因である」などと反論される場合があります。しかし、このような指摘は裁判上、正当な反論として認められない場合が多いので、このような主張をされても請求をあきらめる必要はありません。

賠償金の水準はどうなっていますか

これまでの企業責任追及の裁判例では、死亡慰謝料で3000~2500万円、闘病中の方の慰謝料は病名に応じて1000万円~2300万円程度が認められています(但し、事案に応じて変わります。)。
労災給付とは別に支払われる賠償金ですから、慰謝料を受領することで労災給付が減ることはありません。

どのような方法で賠償金を獲得するのですか

賠償金の獲得手段には、示談交渉と裁判の二つがあります。
まず示談交渉を行いますが、支払に応じる姿勢のない企業に対しては裁判手続きを利用せざるを得ない場合もあります。

国との和解手続きについて

国が石綿工場の労働者を対象に和解に応じるのはどういう場合ですか

以下の条件すべてに該当する方です。

  1. 昭和33年5月26日から昭和46年4月28日までの間に、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、労働者として、石綿粉じんにばく露する作業に従事したこと
  2. その結果、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚などに罹患したこと
  3. 提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること

当時の勤務先が閉鎖(倒産)している場合でも、上記1の証明はできますか

勤務先からの就労証明がなくても、被害者ご本人のご説明や資料を集めることにより、国との和解手続が可能になる例もありますので、まずはご相談ください。
ご相談の際には、これまでの勤務先と就労期間が記載された日本年金機構の「被保険者記録照会回答票」という資料があれば役立ちます。
「被保険者記録照会回答票」は、年金事務所の窓口で申請していただくか、「ねんきんネット」に登録したうえで、インターネット上のデータとして取得することも可能です。(電子版「被保険者記録照会回答票」)。

石綿製品の製造工場以外の労働者は国の和解対象外でしょうか

国が和解の対象とする「石綿工場」には、石綿製品の製造工場に限らず、石綿製品を加工したり、破砕し再利用する工場も含まれます。また、石綿工場に出入りしていた取引先の労働者も救済対象に含まれる場合があります。つまり、石綿粉じんが発生・飛散し、局所排気装置の設置が必要な建物内で就労して石綿粉じんに曝露した労働者であれば、国の和解対象に含まれます。
実際にも、当弁護団では、石綿パイプを切削加工していた鉄工所の労働者や、石綿工場に出入りして設備の点検・修理を行っていた労働者についても和解に成功しています。
ただし、労働者の従事していた作業内容や作業環境が不明な事例では、国が作業の実態や石綿粉じん曝露状況について詳細な説明を求める場合があります。

石綿の病気の種類や程度に応じて和解基準額は異なりますか

病気の進行度や被害者が生存中か死亡しているかにより国の和解基準額は異なります(実際には下記の金額のほかに弁護士費用の一部や遅延損害金が加算されます。)。

(生存中の場合)

ア 石綿肺(じん肺管理区分)管理2で合併症がない場合 550万円
イ 石綿肺管理2で合併症がある場合 700万円
ウ 石綿肺管理3で合併症がない場合 800万円
エ 石綿肺管理3で合併症がある場合 950万円
オ 石綿肺管理4、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚の場合 1150万円

(死亡の場合)

カ 石綿肺管理2または3合併症なしで死亡 1200万円
キ 石綿肺管理2または3合併症あり、石綿肺管理4
又は肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚で死亡
1300万円

勤務先企業から見舞金や弔慰金、補償金などを受け取っていた場合、国から賠償金を受け取れませんか

前項でお示しした国の和解基準額は、被害者がこうむった損害(慰謝料)の半額とされています。したがって、勤務先企業からの補償金などが本来の損害の半分に満たないときは、和解基準額の全額を請求できます。また、損害の半分を超える金銭を受け取っていた場合には減額される可能性はありますが、被害者に生じた損害のすべてを補填するものでなければ、国に賠償金を求めることができます。なお、詳しい計算方法については、ご相談の際にご説明いたします。

労災(あるいは石綿新法)による補償を受けている場合、国から賠償金は受け取れませんか

国が支払う賠償金は慰謝料であり、労災(あるいは石綿新法)の給付金では補填されないと考えられています。
国の和解条件に合致する限り、労災等の給付金を受けていても賠償金が受け取れます。企業から受領する補償金等と違い、減額されることはありません。

労災認定を受けていけないと国の和解手続の対象にならないのですか

国は労災認定を和解の条件にしていませんが、国の和解条件である石綿工場での就労や石綿による病気の発症は、労災認定を受ける条件とほぼ一致します。
そのため、国の和解条件を満たす方で労災認定を受けておられない方は、先に労災の認定を受けられるよう申請手続をお手伝いしています。

示談交渉に関する質問

示談交渉では何を交渉するのですか

まず、当弁護団の代理人弁護士が、それまでの調査資料や労災認定結果、類似裁判例などにより相手方企業に被害発生の責任があることを説明します。そのうえで、過去の裁判例の水準に則った賠償金の支払いを求めます。
これに対し、相手方企業は担当者又は代理人弁護士を通じて対応します。
なお、これまで被害者の出ていなかった業種の企業、小規模の企業では示談に全く応じない例もあります。しかし、一定規模以上でこれまで被害事例が多く出ている業種(港湾運送業、造船業、繊維業など)では、一定水準の支払に応じる企業や、石綿被害者の補償制度を設けている企業もあります。

相手方企業がすでに廃業していたり、賠償金を支払う能力がない場合、何か打開策はありませんか。

大規模プラント工場、造船所、発電所や大手ゼネコンの関与する建設現場では、元請け企業が多数の下請け事業者を指揮監督して作業に従事させることが通常です。
このような現場での作業が原因で石綿被害が生じたとき、下請企業がすでに存在しない場合や、下請企業の支払い能力が乏しい場合でも元請け企業も相手方として賠償交渉できる場合があります。
また、石綿工場内で勤務していて石綿関連疾患にかかった方の場合、病名や就労時期によっては国から賠償金を受領できる可能性があります。

裁判(訴訟手続き)に関する質問

仕事、看病があるので裁判に出頭できません

裁判は平日の昼間に行われます。そのためお勤めのご家族は裁判に出席することが難しい場合があります。代理人弁護士が出席しますから、ご本人やご家族が裁判に出席する必要は基本的にありません。
ただし、裁判が大詰めにさしかかり、過去の仕事の状況や看病の内容などを裁判所で直接発言していただく手続き【証拠調べ手続き】の際には、弁護士と一緒に出席していただくことがあります。

裁判すると名前や顔が公表されますか

アスベストに関する裁判は世間の注目を集めることが多いので、提訴や解決の際に報道される事件もあります。ただし、その際にも依頼者のプライバシーに十分配慮し、勝手に名前や顔写真を掲載させるようなことはしませんのでご安心ください。

裁判ではどういったことを主張するのですか

労働災害の裁判では、被害結果の発生と、その原因となった企業の落ち度(安全配慮義務違反といいます。)を具体的に証明する必要があります。
アスベスト裁判の場合、石綿が原因で病気を発症したという被害結果は労災の認定時に判断され明らかなケースが多いのが通常です。
ただし、どこで何の仕事をしていて石綿の粉じんを吸い込んだのか(粉じんのばく露状況)は、被害者それぞれ異なるため、具体的に、裏付けをもって主張し、証明する必要があります。

なぜ時間と手間を掛けて裁判をするのですか

石綿被害は、作業後数十年経って発症するという点に特色があります。そのため、当時の作業実態を加害企業が把握していないことが多くあります。また、加害企業は総じて危険性への認識は薄く、安全対策が不十分であったことの自覚がないことも少なくありません。
支払に応じようとしない企業に対しては、裁判所で過去の作業内容や取り扱った石綿製品に関する主張立証を行い、公に企業の責任を認めさせることが必要です。それぞれの事案の勝訴判決、和解解決を積み重ねることが、原告となった被害者(又は家族)の救済になるとともに、同業他社の被害者や、将来発生するたくさんの被害者の道しるべになるのです。

アスベスト被害相談について

電話、メールで相談できますか

お電話または電子メールでのご質問にお答えすることは可能です。
ただし、お答えできる内容は被害救済制度や法律上一般的な回答に限られます。ご相談者様の労災申請、賠償請求に関する具体的な質問は、ご来所による法律相談を予約してください。

来所による法律相談はどのようなものですか。

弁護団事務所での来所による法律相談の場合、診断書や石綿健康管理手帳、労災資料、医療記録などの各種資料を確認しつつ、ご相談者様の労災認定の見込みや賠償金額の見通し、手続き上問題となる点などを具体的にお答えできます。

弁護団事務所(大阪・横須賀)まで相談に行けない

闘病中のご本人に代わり、ご家族がご相談に来られても相談対応可能です。また、診断書、労災申請関係資料などをお持ちであれば、それらをお送りいただき、確認した上で労災申請、企業補償に関するアドバイスが可能な場合があります。さらに、事情に応じて出張相談することもあります。遠方の方もまずは電話又はメールにてお気軽にご相談下さい。

相談料はかかりますか

ご相談は、来所、電話、メールいずれの方法でも無料です。

弁護士費用を知りたい

下の弁護士費用等をご覧ください。